2008 Fiscal Year Annual Research Report
創造知のためのノイズと非局所性時間機構を基盤としたニューラルネットワークの研究
Project/Area Number |
20500211
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松井 伸之 University of Hyogo, 大学院・工学研究科, 教授 (10173783)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礒川 悌次郎 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70336832)
西村 治彦 兵庫県立大学, 大学院・応用情報科学研究科, 教授 (40218201)
|
Keywords | 創造知 / ニューラルネットワーク / 確率共鳴 / 複雑ネットワーク / 群知能 / シマリング / 四元数ニューラルネットワーク / 量子ビットニューラルネットワーク |
Research Abstract |
創造的思考の情報処理(創造知)の工学実現をめざして、ノイズと非局所性時間機構(主に遅れ時間効果)に基づくニューラルネットワークのダイナミクスとその形態構造が、どのような情報処理機能を創発するかを検討し、記述可能な現象のモデル化およびそれらの応用システムを開発することが本研究課題の目的であるが、当該年度においては、その端緒を得るために、1.ニューラルネットワークの学習性能における外部ノイズによる確率共鳴機構の効果、2.四元数や量子ビットニューロンモデルへの拡張手法の検討、3.連想記憶性能と複雑ネットワーク形態の関連性の検討、4.群知能発現のネットワーク形態依存性並びに群知能発現機構モデル化のためのシマリング現象の解析などを中心に研究を遂行してきた。その結果、上記1〜4に対し、主に以下の研究成果を得た。 1.確率共鳴型の誤差逆伝搬学習では、カオスなど各種外部ノイズの中で1/fノイズを採用した場合が効果的であることを数値実験によって示した。2.四元数及び量子ビットを基盤としたニューラルネットワークの安定性などの基本性質を明らかにし得た。3.クラスタ係数の小さいネットワーク形態ほど連想想起の精度が高いことなどを見出した。4.群行動の創発と複雑ネットワークパラメータの関係を試論することができ、また、ミツバチのシマリング現象の実観測および予備的解析からこれらの数理モデル化の端緒を模索し得た。実観測においては、情報伝達遅れ時間の効果も観測し得たが、その定量化には至っていない。これらの予備的試論・検討を踏まえて、上記1〜4を精査していくとともに、非局所性時間機構を基盤としたダイナミクス構成を検討していくことが今後の課題であるが、今年度の実績としては、成果の一部を国内外に発表し得て、当初の研究計画は達成できたものと考える。
|
Research Products
(23 results)