2009 Fiscal Year Annual Research Report
創造知のためのノイズと非局所性時間機構を基盤としたニューラルネットワークの研究
Project/Area Number |
20500211
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松井 伸之 University of Hyogo, 大学院・工学研究科, 教授 (10173783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礒川 悌次郎 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70336832)
西村 治彦 兵庫県立大学, 大学院・応用情報科学研究科, 教授 (40218201)
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Keywords | 創造知 / ニューラルネットワーク / 確率共鳴 / 複雑ネットワーク / 群行動 / ノイズ / 四元数 / 量子描像記述 |
Research Abstract |
申請者の研究領域は、自然界に潜在している知能的情報処理機能の工学的創出とそのシステム応用である。この観点から、創造的思考の情報処理(創造知)の工学実現をめざし、ニューラルネットワークのダイナミクスにおいて、ノイズおよび時間遅れなどを考慮した非局所性時間機構並びにその形態構造がどのような情報処理機能を創発しうるのかを調べるとともに、創造知モデルとしての効能をもたらす可能な手法の記述およびそれらの応用システムを開発することが本研究の目的である。本目的を達成すべく当該年度においては、1. ニューラルネットワークの学習性能における外部ノイズによる確率共鳴効果の精査、2. 多元数化並びに量子描像やセルオートマトン記述への拡張手法の検討、3. 群知能発現のネットワーク形態依存性、4. シマリング現象の観測実験と解析、を中心に研究を遂行してきた。その結果、上記1~4に対し、主に以下の研究成果を得た。 1. 様々な外部ノイズを用いた確率共鳴効果のNビットパリティチェック(N=4~7)による精査結果では、白色ノイズを用いた場合が効果的であることがわかった。2. 複素数値確率共鳴型を構築し、実数値型より効果的であることを示すとともに、四元数値相互結合型への拡張やセルオートマトンモデルの検討などを行った。3. 群行動の創発形態と複雑ネットワークパラメータの関係を精査し、それらのパラメータと群形成との関係を定量的に示した。4. シマリング現象の実観測およびそのデータ解析からミツバチ群の情報伝達を定量的に明らかにでき、群知能・群形成に関する数理モデル構築の試金石を得た。これらの試論・検討を踏まえて、上記1~4を精査していくとともに、非局所性時間機構を基盤としたダイナミクスおよびシステム応用を検討していくことが今後の課題であるが、今年度の実績としては、研究成果の一部を国内外に発表し得て、当初の研究計画は達成できたものと考える。
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Research Products
(19 results)