2009 Fiscal Year Annual Research Report
ファジィシステムに対するサンプル値制御系設計と実システムへの応用
Project/Area Number |
20500212
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
米山 淳 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 准教授 (30283344)
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Keywords | ファジィモデル / 非線形システム / サンプル値制御 / むだ時間 / ロバスト制御 |
Research Abstract |
離散型むだ時間と分布型むだ時間の両方を含む高木、菅野ファジィ連続時間システムに対して、サンプル値入力を印加した場合の安定性とロバスト安定性に関する研究を行った。サンプル値入力はサンプリング間で一定な零次ホールド入力とした。この場合、サンプル値入力は時変なむだ時間を持つ入力信号とみなすことができるため、入力にむだ時間を含むファジィシステムの安定条件を導出した。また、これらの条件の下で、安定化制御則とロバスト安定化制御則の設計を行った。さらに、システムに混入する予期せぬ外乱がある場合を考慮して、これらの理論をH∞外乱抑制制御問題にも拡張した。 つぎに、サンプル値出力に対しシステム状態を推定するオブザーバの設計を行った。ディジタルセンサを用いた場合、観測出力も離散的な信号となる。この場合、ホールダを用いて観測出力を零次ホールド出力信号ととらえ、このような信号に基づいた状態推定理論を導いた。さらに、システムに外乱が混入する場合も考慮してH∞フィルタの設計も行った。なお、サンプリング時刻が一様でない場合や、サンプリングに失敗し信号が得られなかった場合も想定し、サンプリング時刻が変化する場合にも対応できるオブザーバやフィルタ理論を構築した。 最後に、数値的なシミュレーションを行い、これらの理論の有効性を実証した。数値シミュレーションにおいては、外乱が混入しても高い制御性能を示す制御器とフィルタが設計できることが示され、数値的にも満足の行く結果が得られた。
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