2010 Fiscal Year Annual Research Report
ファジィシステムに対するサンプル値制御系設計と実システムへの応用
Project/Area Number |
20500212
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
米山 淳 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (30283344)
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Keywords | ファジィモデル / 非線形システム / サンプル値制御 / むだ時間 / ロバスト制御 |
Research Abstract |
高木・菅野ファジィ連続時間システムに対して、サンプル値出力をフィードバックしたサンプル値制御則入力を印加した場合の安定性とロバスト安定性に関する研究を行った。出力として得られるサンプル値出力と印加するサンプル値入力はサンプリング間で一定な零次ホールド入力とした。これらは2つの時変なむだ時間を信号とみなすことができるため、むだ時間を含むファジィシステムの安定条件を導出した。また、パラメータに不確かさを含むファジィシステムに対してロバスト安定性の解析とロバスト安定化制御則の設計を行った。さらに、システムに予期せぬ外乱が混入する場合を考慮して、これらの理論をロバストH∞外乱抑制制御問題にも拡張した。 高木・菅野ファジィシステムに対して出力フィードバック制御則を構成する場合には、ファジィシステムの前件部変数によるシステムのクラス分けを行い、それぞれについて制御系設計を行った。特に、前件部変数が状態変数の場合ファジィシステムは広いクラスの非線形システムを表現できる。この場合も従来の設計条件よりも容易に解が得られる設計条件を導いた。 さらに、数値的なシミュレーションにより理論の有効性を実証した後、実機に得られた制御則を適用した。数値シミュレーションにおいては、外乱が混入しても高い制御性能を示す制御器が設計できることが示された。また、実際の実機に対する制御実験においても高性能な制御結果が得られた。したがって、本研究で得られた手法の有効性が示された。
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