2010 Fiscal Year Annual Research Report
思考機能と長期記憶を有する脳型アーキテクチャ自然言語処理システムに関する研究
Project/Area Number |
20500213
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
萩原 将文 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80198655)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 言語処理 / コネクショニストモデル |
Research Abstract |
本年度は、コンピュータとの会話システムの基礎および応用面での大きな成果が得られた。 まず基礎的な部分に関しては、自動構築された言語資源を用いた自然言語生成手法の構築に成功した。提案手法では、Web文書から自動構築した京都大学格フレーム辞書とGoogle N-gramを用いる。格フレームとは用言とそれに関連する名詞が、用言の用法ごとに整理された言語データである。システムへの入力は生成したい文の要素(単語)である。提案手法では入力単語が登録されている格フレームを使用して文の生成を行う。ここで格フレームのみでは単語間の繋がりが不自然になることもある。そこで、Google N-gramの利用により単語間のつながりを考慮した文の生成を可能とした。このようにして、数単語から多様性のあるさまざまな文の生成が可能となった。 応用面では、特に高齢者を意識した会話システムの構築を行った。ユーザの発話意欲を促進するためには、話題を掘り深めるための関連語を基にした発話、およびユーザの心情の推定が必要となる。提案システムでは、入力文よりユーザの心情を推定し、発話文の生成に関してはWebからの情報(検索エンジンGoogleのAPIであるGoogleSuggest)と言語資源を利用する方法を用いた。これらより、名詞、形容詞、形容動詞、動詞などの関連語の抽出を行い、これらを適切に組み合わせることにより、様々なバリエーションを持つ文の生成が可能となった。評価実験により、提案システムが高齢者の発話を促すことが可能であり、満足のいく話し相手となれることが示唆された。
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