2009 Fiscal Year Annual Research Report
進化計算法におけるミクロ-マクロ型相互作用の定式化とその経済システムへの適用
Project/Area Number |
20500215
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松井 和宏 Nihon University, 工学部, 講師 (30303530)
|
Keywords | 進化計算法 / 遺伝的アルゴリズム / 経済指標予測 |
Research Abstract |
本研究は、進化計算法における系の構成要素のミクロレベルでの相互作用と、そこから生じる系全体での秩序形成というマクロレベルでの影響について検討し、その知見を経済系の問題領域に適用するものである。今年度は、昨年度までの成果に基づき、基本モデルを確立するとともに、基礎的な経済系への適用を試みた。 第一に、基本モデルの確立については、進化計算法における個体評価に新しい要素を導入した。すなわち、通常の個体評価は単独の個体が環境に適応している度合いを評価するものであったが、本モデルにおいては、探索注目点の近傍に位置する複数の周辺個体をマクロ的に統合して評価する。このような手法は従来の進化計算モデルにおいてはほとんど見られなかったものである。本研究では、この手法に基づいたマクロレベルでの相互作用から生じる系全体の秩序形成について考察した。 第二に、基礎的な経済系への適用については、株式市場における自動取引戦略獲得を例として検討した。前年度検討した対立遺伝子表現に加えて、上記のマクロレベルの相互作用を考慮した新しい個体評価法を導入した。その結果、従来の個体評価法に比べて良好な取引戦略を獲得できるなど優れた性能を示すことを基礎的な実験によって確認した。これは、提案モデルがマクロレベルでの適合性を考慮に入れることによって汎化能力に優れた取引戦略を獲得することができるためである。
|
Research Products
(2 results)