2008 Fiscal Year Annual Research Report
1/fゆらぎにもとづく計算万能セルオートマトンの探索
Project/Area Number |
20500216
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
蜷川 繁 Kanazawa Institute of Technology, 情報学部, 准教授 (50308087)
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Keywords | セルオートマトン / 1 / fゆらぎ / 計算万能性 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究の目的は計算万能性と1/fゆらぎの関連を明らかにするために1/fゆらぎを示すセルオートマトンを遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて探索することである.パワースペクトルの形は状態遷移のステップ数Tによって異なるため,T=7200の場合とT=8000の場合について求めた.T=7200のパワースペクトルを求める場合,パソコンで約4.5時間かかるため,大学の演習室のパソコン約300台を夜間や休日に使っているほか,統計数理研究所のスーパーコンピュータ,および科研費を用いて大阪大学サイバーメディアセンターのコンピュータを利用している.平成20年度の1年間でT=7200ステップについては,約1,112,000個,T=8000については約244,000個のパワースペクトルを求めた.現在はまだ,中途段階であるため計算万能性を思わせるようなセルオートマトンは見つかっていないが,比較的複雑な振る舞いを示すルールが得られつつある,今年度は主に計算機実験を行うため,その間に計算万能性だけでなく,より単純な計算機能の動力学的性質を解明することにした.手始めにパリティ計算に着目し,ある種の1次元セルオートマトンにおいてセル数が2のべき乗個の場合,任意の初期様相のパリティを計算できることを発見した.さらにそれらの空間的パワースペクトルを求めたところ,計算が進むにつれ長い空間周期性が発生し,それらが徐々に短い周の期のパターンに分裂することが明らかになった.これは乱流において大きな渦が時間の経過と共に小さな渦に分裂するカスケード過程と呼ばれる現象とアナロジーが成り立つことがわかった.
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Research Products
(3 results)