2010 Fiscal Year Annual Research Report
1/fゆらぎにもとづく計算万能セルオートマトンの探索
Project/Area Number |
20500216
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
蜷川 繁 金沢工業大学, 情報学部, 教授 (50308087)
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Keywords | セルオートマトン / 1/fゆらぎ / 計算万能性 / 遺伝的アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究の目的は計算万能性と1/fゆらぎの関連を明らかにするために1/fゆらぎを示すセルオートマトンを遺伝的アルゴリズムを用いて探索することである.パワースペクトルの形は状態遷移のステップ数Tによって異なるため,T=7200の場合とT=8000の場合について求めていたが,T=8000の場合に計算万能性の可能性のあるルールが見つかったため,H22年度はT=8000ステップの場合に集中して実験を行った.パワースペクトルを求めるために,大学の演習室のパソコン約300台を夜間や休日に使っているほか,統計数理研究所のスーパーコンピュータ,および科研費を用いて大阪大学サイバーメディアセンターのコンピュータを利用しているが,今年度からは,研究室にあるCUDAが稼働するPCも利用することができた.平成22年度の1年間でT=8000ステップについては,約700,000個のパワースペクトルを求めた.現時点で,ライフゲームのグライダーのように伝播するパターンを持つルールが得られ,計算万能性を調べている.また,計算万能性だけでなく,より単純な計算機能の動力学的性質を解明するためにパリティ計算に着目し,ある種の1次元セルオートマトンにおいてセル数が2のべき乗個の場合,任意の初期様相のパリティを計算できることを発見した.さらにそれらの空間的パワースペクトルを求めたところ,計算が進むにつれ長い空間周期性が発生し,それらが徐々に短い周の期のパターンに分裂することが明らかになった.これは乱流において大きな渦が時間の経過と共に小さな渦に分裂するカスケード過程と呼ばれる現象とアナロジーが成り立つことがわかった.
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Research Products
(5 results)