2008 Fiscal Year Annual Research Report
メディア・ビオトープによる地域社会活性化についての情報学的分析と応用
Project/Area Number |
20500220
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
須藤 秀紹 Muroran Institute of Technology, 工学部, 准教授 (90352525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 恒久 室蘭工業大学, 工学部, 准教授 (40374756)
野津 亮 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (40405345)
小北 麻記子 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (00389694)
|
Keywords | メディア・ビオトープ / 地域コミュニティ / コミュニケーション支援 / 認知的均衡理論 / ネットワーク社会 / 視覚メディア |
Research Abstract |
本研究は, 地域社会を活性化するためのメディア・デザイン方法論を明らかにすることを目的としている. H20年度の研究計画は, メディア・ビオトープの実践調査, メディアと社会との関係のミクロ視点およびマクロ視点からの分析の実施である. メディア・ビオトープの実践調査については, どのような取り組みがビオトープ的であるか, という定義が明確になっていなかったため, まずメディア一般と社会との関係性についての調査を実施することにした. 手始めに, 完全に身元が明らかなメンバーだけで構成された「ゲーテッド・シティ」と, 匿名性が高く不特定多数のメンバーで構成されたインターネット上のコミュニティに焦点を絞り調査を実施した. 前者は極度に閉じた社会を指向するものであり, 逆に後者は自由な参加を許すものである.その結果, いずれの場合も異質な者を排除する傾向があることが明らかになった. マクロ視点からの分析としては, コミュニティーの活性度とそこに導入されるメディアの特性をモデル化して, マルチエージェントシミュレータを用いた実験を行った. その結果, 比較的活性度の高いコミュニティにおいては携帯電話のような心的距離の近いメディアが, また逆に活性度の低いコミュニティにおいては掲示板のようなメディアがコミュニケーションを促進することが明らかになった. ミクロ視点からの分析としては, 個人がもつ自己概念(価値観やそれに付随する葛藤状態)を他者につたえるためのインタフェースについて考察を深めた. さらに, 対話データや日記, プログ等のテキストデータを自然言語処理し, 個人にとって重要な概念構造を抽出するシステムの構築を進めている.
|