2009 Fiscal Year Annual Research Report
メディア・ビオトープによる地域社会活性化についての情報学的分析と応用
Project/Area Number |
20500220
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
須藤 秀紹 Muroran Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (90352525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 恒久 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40374756)
野津 亮 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (40405345)
小北 麻記子 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (00389694)
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Keywords | メディア情報学 / メディア・ビオトープ / コミュニケーション支援 |
Research Abstract |
本研究は,地域社会を活性化するためのメディア・デザイン方法論を明らかにすることを目的としでいる.平成21年度の研究計画は,コミュニティのモデル化,規範的役割の分析,マクロな視点からの分析,コミュケーションツールとしてのメディアの提案である. コミュニティのモデル化に関しては,人とシステムとの関係を新理論的様相,義務論的様相,時間論的様相の3つの視点から捉えた記述メディアであるADTモデルに,経済性および規範の概念を導入して拡張することによって実現した.提案モデルを用いることで,メディアによって形成されるコミュニティの可能世界を表現することが可能になった. マクロな視点からの分析は,メディアによってコミュニケーション可能な物理的な距離とコストに着目した.MASによるシミュレーション実験を実施して分析した結果,コストが距離に依存しないメディアを導入した場合,近隣のエージェントとのコミュニケーションが極度に少なくなる様子が観察された. 上記のマクロな視点からの分析結果に基づいた新規なコミュニケーション・メディアの在り方として「想いで共有メディア」のコンセプトを提案した.これは意味内容を伝達することを目的とした従来のメディアとは異なり,発信者の心情への共感を引き出すことを指向するものである.このことによって,近隣に暮らす人々との繋がりを強くする効果が期待できる.
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