2010 Fiscal Year Annual Research Report
メディア・ビオトープによる地域社会活性化についての情報学的分析と応用
Project/Area Number |
20500220
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
須藤 秀紹 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90352525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 恒久 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40374756)
野津 亮 大阪府立大学, 工学研究科, 助教 (40405345)
小北 麻記子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00389694)
|
Keywords | メディア情報学 / メディア・ビオトープ / コミユニケーション支援 |
Research Abstract |
本研究は,地域社会を活性化するためのメディア・デザイン方法論を明らかにすることを目的としている.平成22年度の研究計画は,地域メディア・デザイン支援システムの試作であった.しかし昨年までの研究で,地域に密着したコミュニケーション・メディアの設計には,議論を中心としたプロセスが効果的であることがわかった.そこで予定を変更して,ビオトープ指向メディアのデザインについて議論するためのガイドラインを作成して,その有効性を確認することにした. はじめにメディア・ビオトープ性を有するコミュニティが備えるべき条件について,前年度に提案したコミュニティの階層型表現モデルに基づいて分析した.その結果,生態系のビオトープが備えるべき性質である「小ささ」「ネットワーク性」「一般性」「計画性」の中でもとくに「小ささ」と「ネットワーク性」が重要であることが明らかになった.ここでいう「小ささ」とは,物理的規模ではなく,各成員のアクセシビリティを意味する.そしてこれらを考慮した上でビオトープ指向メディアのための設計ガイドラインを策定した. 次にこのガイドラインに従って,3種類のコミュニケーション・メディアを提案した.これらのメディアは,地域住民が日々用いている歩道橋や循環バスといった既存のインフラを活用するものであり,「小ささ」や「ネットワーク性」といった条件を満たすものである.本プロジェクトの中でこれらのメディアを実装して検証することは困難であったため,マルチエージェント・シミュレータを用いてその効果を検証した.その結果,ビオトープ指向メディア導入後のコミュニティにおいて成員間の協調性が高まる現象が確認できた.
|