2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報技術と経済成長:利用サイドと提供サイドの実証分析
Project/Area Number |
20500229
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
篠崎 彰彦 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (00315045)
|
Keywords | IT(情報技術) / 企業改革 / 生産性 / 経済成長 / 放送・通信 / コンテンツ / 産業連関分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、情報技術(IT:Information Technology)革新が経済成長に及ぼす影響について、利用サイドと提供サイドの両面から産業や企業レベルの実証分析を深め、日本の経済・産業・企業の特徴と成長戦略実現に向けた課題を明らかにするものである。 最終年度となる平成22年度においては、平成20年度および平成21年度に実施した研究の成果をもとに、関連する国内外の研究機関、公的機関、関連企業の研究者、実務家、政府関係者らとの討論意見の聞き取り調査を精力的に行うと同時に、研究成果の全体の取りまとめ作業を集中的に行った。特に、これまでの分析結果に基づく著作物および研究報告等による情報発信に関しては、本研究が平成22年度をもって閉鎖的に完結してしまうのではなく、今後さらに発展していく基盤となるよう、学術界のみならず実業界、政策当局、言論界など、幅広い領域で多面的に取り組んだ。 一連の研究活動を通じて、IT利用サイドでは、日本企業の経営改革への取り組み姿勢がIT導入効果に強く影響しており、大胆な企業改革を実施した企業では日本も諸外国と同様の効果を得る可能性が高まること、また、IT提供サイドでは、中長期的に機器などのハードウェア中心から雇用誘発力の高い上位レイヤーの情報サービス活動が盛んになっていること、また、世界的な経済危機による景気後退がこうしたダイナミックな変化を加速させていることなどが明らかとなった。
|