2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユニバーサルデザインに基づく統合型フィールドミュージアム形成支援システムの研究
Project/Area Number |
20500230
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
阿部 昭博 Iwate Prefectural University, ソフトウェア情報学部, 教授 (70305291)
|
Keywords | 情報図書館学 / コンテンツアーカィブ / 地理情報システム / ユニバーサルデザイン / ミュージアム支援 |
Research Abstract |
近年、日本においては地域独自の文化・歴史・自然の価値を見直し、地域全体をフィールド(野外)ミュージアムとして捉える取り組みが活発であるが、野外における展示・見学を基本とし、運用形態も多様であることから、それらの特徴を考慮した見学支援システムの研究は立ち遅れている。本研究の目的は、できるだけ多くの人が前述のフィールドミュージアムを楽しむことができるよう、UD(Universal Design)概念に基づき、現地見学の情報支援と、Web上での現地訪問前後の情報支援を統合したフィールドミュージアム支援システム(FMS)の構築法を明らかにすることにある。具体的には研究目標(1)さまざまな利用特性をもつ見学者への配慮(2)見学者リレーションシップマネジメントに対して、岩手県内のフィールドミュージアムを事例とした実証的研究を展開する。21年度は、20年度に設計した基本アーキテクチャに沿って、主に2つの研究開発を実施した。第1に、城下町の伝統的建造物や景観を楽しむ市街地を対象に、地域学習とまち歩きを支援する携帯電話システムを試作した。さまざまな利用特性をまつ見学者がまち歩きを楽しめるよう、携帯電話への情報提供はGPSを使ったPUSH型の自動配信とし、端末操作を極力不要とする方式とした。第2に、丘陵地の地形と景観を生かした野外影彫刻美術館を対象に、UDに配慮して音声主体の携帯電話ガイドシステムを試作した。見学者のマインズオンやハンズオンを促進するための理論としてScrevenの行動連鎖モデルを基礎としている点に特徴がある。これらの効果と課題については、最終22年度に考察を深める予定である。
|
Research Products
(4 results)