2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500234
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
内海 彰 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (30251664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 真樹 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (80302826)
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Keywords | 認知科学 / 人工知能 / 実験系心理学 / 比喩 / 潜在意味分析(LSA) / 意味空間 |
Research Abstract |
平成21年度の研究によって得られた成果は以下の通りである. 1.動詞隠喩の理解過程の解明 平成20年度の研究で収集した動詞比喩のデータ(比喩解釈,適切性や慣習性などの評定値,動詞からの直接的・間接的連想語)を用いて,プライミング法によるオンライン実験(動詞比喩をプライム刺激,比喩解釈や動詞からの直接的・間接的連想語をターゲットとする)を行った.その結果,動詞隠喩は間接的カテゴリー化(二段階カテゴリー化)によって理解されるという仮説を支持する結果が得られた. 2.形容詞隠喩の理解過程の解明 大規模な心理実験を行い,形容詞隠喩の理解においては,名詞隠喩に比べて,有意に多くの創発特徴が生成されることを示した.このことは形容詞隠喩が間接的なカテゴリー化で理解されることを示唆している.さらに,形容詞隠喩の理解にはイベント知識が深く関わっていることを明らかにした. 3.複合名詞句の理解過程の解明 比喩理解過程の計算モデルを,複合名詞句の理解過程のモデルとして妥当かどうかをシミュレーション実験によって検討し,比較過程に基づく計算モデルがカテゴリー化過程に基づくモデルよりも適切であることを示した. 4.意味空間モデルの性質の解明 本研究で計算モデルとして用いている意味空間モデルにおいそ,構築手法・コーパス・文脈単位の違いによって,表現される概念間の関係が異なることを大規模なシミュレーション実験によって明らかにした.
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Research Products
(9 results)