2010 Fiscal Year Annual Research Report
対象物操作を目的とした対象物認知と手の身体モデルの関係
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20500235
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| Research Institution | University of Fukui |
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Principal Investigator |
片山 正純 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90273325)
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| Keywords | 対象物認知 / 道具 / 手 / 身体モデル |
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| Research Abstract |
道具などの対象物認知において,道具使用における感覚・運動経験が重要な役割を果たしていると考えており,本研究では「手の身体モデル(内部モデル)は把持して使用する道具の対象物認知に関与している」という仮説をたてている.この仮説を検証するために,手の身体モデルを学習するための新しい実験パラダイムを構築した.この実験パラダイムでは,被験者自身の手形状を幾何学的に変形した手形状と対象物をモニタに表示し,その画面を見ながら対象物の把持運動課題を繰り返し実行することにより,この手形状の変形に対応した手の身体モデルを学習する.この学習後に対象物の認知的判断に関する計測実験を行う.
22年度には下記項目ついて研究を実施した.
・今年度には手指の関節角を変化させた手形状に対応した手の身体モデルを学習した後に計測したところ,この変形に対応して認知的判断(コップと見なすサイズ)が変化し,我々の従来研究(手指の長さを変えた手形状)で得られた結果と同様であった.従って,これらの結果は,ある特定の条件での結果ではなく,新たに獲得した手の身体モデルが対象物の認知過程に関与していることを示している.
・手形状の変形に対応した非利き手の身体モデルの学習を行った結果,どちらの手でも使用する道具では道具の認知的判断(その道具と見なすサイズ)が変化したが,主に利き手で使用する道具では変化しなかった.さらに,非利き手での道具使用を十分訓練したところ,道具の認知的判断が変化するようになった.これらの結果も我々の仮説の妥当性を指示している.
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