2009 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミック・タッチによる身体軸の知覚と、その成否が姿勢制御に与える影響
Project/Area Number |
20500243
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三嶋 博之 Waseda University, 人間科学学術院, 准教授 (90288051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 昌夫 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (40367694)
古山 宣洋 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (20333544)
杉山 智久 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (60410734)
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Keywords | 生態心理学 / 姿勢 / 重心動揺 / リハビリテーション |
Research Abstract |
平成21年度は、実験参加者の頚部から脊柱を、施術者が小さく揺する治療の効果に関して、視覚課題に合わせた姿勢制御を行うことが容易になるかどうかについて明らかにするため、立位時の重心動揺を指標とした評価をおこなった。 実験は、健常な成人を対象とし、頚部の揺すりによる治療(以降「揺すり」)を行う実験群、および「揺すり」を行わない対照群に分けた。また、各群の実験参加者は、ランダムな順番で割り当てられ、3種の視覚課題条件のすべてに参加した。3種の視覚課題は、「構造物」を見る、「構造物」を見ない(構造物のない空間を見る)、構造物に貼り付けられた紙の上の文字(詩)を黙読する、というものであった。この課題は、「揺すり」もしくは「背臥位保持」の前後で行われる立位での重心(足底圧中心分布:COP)動揺測定の際に課せられた。なお、測定条件を同一にするため、「揺すり」は、冨田(2006)によって報告されている方法に従って、同一の施術者が行った。 COPデータの解析の結果、「揺すり」は、「背臥位保持」に比べ、概して視覚と姿勢制御を関係づける方向で作用することが認められた。例えば、文字黙読課題では、文字を注視する必要があり、それは姿勢制御との協調のもとで達成されるが、揺すり群では、COP動揺の面積を相対的に小さくできる実験参加者が多かった一方で、対照群では、COP動揺の面積が大きくなる実験参加者が多い傾向であり、対照群では、文字を読むための姿勢をとろうとするが、頭部を調整すると身体は動揺してしまい、結果として値が大きくなってしまったと考えられる。 文献 冨田昌夫2006脳卒中患者に対する急性期理学療法の可能性.理学療法学,33(8),423-428.
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Research Products
(3 results)