2008 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル密度推定の平滑化パラメータ選択の統計理論とその応用に関する研究
Project/Area Number |
20500248
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柿沢 佳秀 Hokkaido University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (30281778)
|
Keywords | 定常過程 / スペクトル密度 / カーネル密度推定 |
Research Abstract |
本研究のターゲットは(ベクトル値)定常時系列のスペクトル密度(行列)推定であるが、非定常の枠であっても類似した概念と知られる、いわゆる、almos tperiodically correlated process(APC)の文献調査を本年度の前半に行い、mixing条件下での漸近理論、及び、sabsampling法によるスペクトル解析の数学的基礎を養った。当初、平滑化パラメータ推定については解析的手法を主としたアプローチを21年度以降に行う予定であったが、subsampling法、あるいは、ブートストラップ法による計算機に基づく数値的な方法も対抗馬として考察すべき対象であると意識するに至った。 また、過去の研究成果である「ベルンシュタイン法によるスペクトル推定」も一種の平滑化法である。この場合のバンド幅に相当する平滑化パラメータはベルンシュタイン多項式の次数であり、この方面での漸近理論も本研究で対象とされるわけだが、ベルンシュタイン法の文献調査を通じて、新しい視点でベルンシュタイン・スペクトル推定量を拡張する構想を持ち、既に、ある拡張されたスペクトル推定量の漸近バイアス・分散公式等を導出することに成功している。興味深い点として、先行研究の分散公式(レフリー付きジャーナルJTSAに掲載された)と同じになったことがあげられ、2乗バイアスの積分値の大小からAIMSE性能比較ができるため、付随する解析的な計算をさらに遂行したいと考えており、この方向で21年度早期に論文としてまとめ、専門雑誌に投稿したいと考えている段階である。
|