2008 Fiscal Year Annual Research Report
共分散等を対象とした行動計量手法における漸近理論の応用
Project/Area Number |
20500249
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
小笠原 春彦 Otaru University of Commerce, 商学部, 教授 (70271731)
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Keywords | クロス共分散行列 / 飽和モデル / 特異値 / 距離関数 / 平均及び共分散構造分析 / 漸近キュミュラント / ステューデント化推定量 / 漸近展開 |
Research Abstract |
1. クロス共分散(相関)行列の特異値分解における漸近展開 クロス共分散行列に関係する推定量の分布の漸近展開を次により行った。まず、クロス共分散行列の特異値と特異ベクトルをクロス共分散行列の飽和モデルのパラメータと解釈した。したがって、モデルとデータとの代表的な距離関数(例えば符号を逆にした尤度)を考えた場合、距離関数を最小化する推定量はすべて同一になる。簡単な距離関数として重みなしの最小自乗によるものを用いた。実際には標本特異値と標本特異ベクトルを求めるのに距離関数を最小化して求めることはないが、距離関数を特異値と特異ベクトルに関して偏微分したものを0とする一次条件を特異ベクトルの正規直交性とともに利用して標本共分散との関数関係を導いた。 2. 平均及び共分散構造分析における漸近展開 パラメータの推定量は正規分布に基づく最尤解や最小自乗解が一般的であるのでこれらの推定量の非正規分布の下での分布の漸近展開を求めた。漸近展開を得るためには推定量に関連する偏微分の他に、観測変数の標本平均と標本分散共分散の4次までの多変量同時漸近キュミュラントが必要となる。一部の結果は得られているが多変量の全てのものは得られていないので個別に結果を用意した。さらにADF理論によるステューデント化推定量は標本平均と標本分散共分散の関数であるとともに標本4次中心モーメントの関数でもあり、漸近正規性の次の項までの漸近展開を得るには、これらの標本モーメント間の漸近分散共分散が必要となる。これらについても個別に結果を用意した。以上の結果を確認するために平均及び共分散構造分析の代表的なモデルとして、共分散構造のみでなく平均にも因子分析モデルを想定したモデルを扱った。
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Research Products
(13 results)