Research Abstract |
本研究でとり扱う三つ問題,(1)臨床試験の統計的シミュレーション,(2)効率的な試験デザインの設計と解析,(3)多重評価指標に基づく試験デザインの設計と解析について,最新の研究の状況を確認し,とり組むべき内容とその方向性を確認し,本年度が最終年度であることから,応用的研究および研究の纏めを中心に行った.主要な内容を,以下に示す.さらに,本年度は最終年度であり,研究成果の公表するためにシンポジウムを開催した(参加者80名):(1)臨床試験の統計的シミュレーション:いくつかの疾患領域で示されている理論モデルと理論モデルに基づくシミュレーションの問題点を統計的観点から洗いだした.とくに,Kamijima(2006)で得られたデータに基づき,大うつ病の再発に対する治療に対して新たに開発した治癒・比例ハザード・モデルと治癒・生存時間CARTを適用し,シミュレーションで使用する統計モデルの検討を行った.そこで得られた成果を論文として公表した.(2)効率な試験デザインの設計と解析:臨床試験で一般的に用いられている確率化操作の方法,標本サイズの設計の問題を整理し,それらの特徴と性能を評価した結果を成書に纏め公表した.また,先行する臨床試験の結果に基づいて新たに試験を計画する際の,標本サイズの設計についてどのような効果サイズの推定値を用いればよいかを検討した.(3)多重評価指標に基づく試験のデザインと解析:主要評価項目が複数あり,それらのすべてが2値データで与えられる場合の標本サイズの設計について得られた結果を纏め論文として公表した.新たに,2値データと連続データが混在する場合,すべてが生存時間データである場合,生存時間データと2値データが混在する場合について検討した
|