2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500259
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
柳本 武美 Chuo University, 理工学部, 客員教授 (40000195)
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Keywords | Bayes法 / 頻度法的接近 / hybrid接近 / e-混合 / DIC |
Research Abstract |
Bayesモデルではない場合にも、最大化尤度比を評価するよりも、KL分離度で評価した方が性能が良い。簡単な例として、標準的な平均と分散未知の正規分布における分散の検定(信頼区間)の場合を挙げることが出来る。また、以前(2年前)にBayes法に関連して考察を加えたときは、KL分離度を用いる方がより発展性に富むとの印象をもっていた。 上の着想から数値的あるいは特殊な例での考察により検討を進めた。尤度比は最尤法と不可分であるが、KL分離度では、推定量の選択とは別個にその妥当性を検討できる意味で、基本的に柔軟なアプローチである。標本分布に含まれるすべての母数に事前分布を仮定するのではなく、大部分に仮定して注目する母数には仮定しないhybrid法はデータ解析以外にも試験の計画を重視する頻度論には受け入れ易い。具体的には、2項分布とガンマ分布を誤差項として評価を行った。前者は途中で打ちきりとなったが、後者は成功裏に纏めることができた。この違いは、テーマと言うより共同研究者の努力にも依存している。 加えて、KL分離度と尤度比についての研究をもう少し広い視点、統計解析の一つの基本問題に関わるテーマに取り組む。これはLindleyのパラドックスとして知られる統計的検定・モデル選択に係わる基本問題である。このテーマは意外な発展を見ることが出来た。良く知られた統計量DICとの密接な繋がりが明確になったからである。先端的問題と言うより、より基本的な問題に転換されてきた。 そこで、e-混合とDICと言うテーマに主要な努力を向けるようになっている。
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