2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500259
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
柳本 武美 中央大学, 理工学部, 客員教授 (40000195)
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Keywords | Bayes法 / 交叉検証法 / 平滑化 / 不適切事前分布 / GCV / DIC |
Research Abstract |
本研究におけるシーズはe-混合とDICの結合である。Bayesモデルとはしない場合もあるが、Bayesモデルとして扱う場合には事前情報を利用するような設定にする方が望ましい。安易に母数を超母数として扱うよりも、可能ならばinformativeな事前分布そうでなくても無情報事前分布を仮定する方が、論理的整合性の面からもまた手法の性能の面からもより望ましいに違いない。上の着想から平滑化を中心とした多次元平均ベクトルの同時推定を基本に手法の開発を行った。そこでは既存の方法であるGMLとGCVが超えられない事情を事前分布の面から明確にしつつある。この問題を解決する際の困難は、一見同等なモデルが実際には本質的な違いが存在することであり、単純な工夫によっては乗り越えられないことにあった。 こうした中で、昨年度の秋頃から交叉検証法を通じて新しい展開があった。本学院生の渡部君と平滑化法における平滑性行列の次数を評価するという困難な問題を取り扱った。学会でも報告したが小さい進展であった。そこで、交叉検証法を試してみた。この方法がe-混合と相性が良いことは分かっていた。試してみると意外に良い性能を示す。問題が複雑であるので、単に性能が良いだけでは満足しがたい。ところが、モデル評価の統計量の正則条件としてgradientの不偏性を考察した。推定方程式の理論の分野では当然の要請が、モデル評価の分野では等閑視されていることも確認できた。その結果、e-混合交叉検証が良い性能を示すことをその根拠と共に得ることが出来た。この成果は単にe-混合交叉検証法についての成果に止まらずに新しい展開が期待できる。
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