2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境データ解析のためのベイズ的方法の開発とその応用
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20500266
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
柏木 宣久 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (50150032)
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Keywords | 環境問題 / 識別問題 / 生態リスク評価 / 発生源解析 / 要因分析 / 雨滴粒径分布 / 東京湾水質 / ベイズ |
Research Abstract |
環境問題における統計的問題、特に生態リスク評価、発生源解析および環境化学物質測定の要因分析に現れる識別問題を解決するためのベイズ的方法について研究した。また、開発した方法を実際の環境問題に適用し、方法の実用性を検証すると共に、環境問題自体の解決にも尽力した。 様々な化学物質の生態リスクを合理的に管理するには、個々の化学物質の生態リスクを統一的に評価する必要がある。そのための指標として、化学物質によって影響を受ける生物種の割合を示す期待影響割合が提案されている。この指標は化学物質の環境濃度分布と化学物質に対する生物種の感受性分布から計算される。ところが、環境データに含まれる検出限界値以下の植が原因となり環境濃度分布の推定が困難になるといった問題や、毒性データが特定の生物種に偏在するため推定に偏りが生じるといった問題があった。これらの問題を解決するためのベイズ的方法を開発し、開発した方法により東京都における生態リスクランキングを作成した(林,柏木,2010 : Hayashi and Kashiwagi, in press)。 発生源解析については、食塩電解過程で生成されるダイオキシン類の同族・異性体にいて検討すると共に(東野 他,2010)、PCB製品の揮発による組成変化についても検討した(今井 他,2010)。 環境化学物質測定の要因分析については、底質中有機スズの測定データを対象に、方法について検討した。 以上に加え、衛星搭載降雨レーダによる降雨観測に関連して雨滴粒径分布の母数の同定(Kozu, et al. 2010)およびレーダ反射因子と降雨強度の関係(古津他,2010)、東京湾水質の長期変動(二宮,柏木2010;二宮 他2010;永山 他,2010)、土壌中POPsの汚染診断方法(清家 他,2010)等についても検討した。
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[Presentation] 土壌中POPsの汚染度診断方法の開発2010
Author(s)
清家伸康, 大谷卓, 上野達, 岡本真理, 齋藤隆, 山崎晴民, 遠藤昌伸, 本田克久, 澤田石一之, 柏木宣久
Organizer
「生産・流通・加工工程における体系的な危害要因の特性解明とリスク低減技術の開発」中間発表会
Place of Presentation
つくば市
Year and Date
2010-11-05
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