2008 Fiscal Year Annual Research Report
リスクとベネフィットを定量的に統合評価する臨床試験のデザインに関する統計学的研究
Project/Area Number |
20500267
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
西川 正子 National Institute of Public Health, 技術評価部, 主任研究官 (50373395)
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Keywords | 医療・福祉 / 医薬生物統計 / 臨床試験 |
Research Abstract |
従来の臨床試験デザインでは有効性および安全性を正確かつ精度良く検定する際に、複数のエンドポイントを設定することになり検定の多重性という問題のために長い試験期間や多くの被験者を必要とした。本研究は、この問題を改善し従来よりも短期間で、しかも従来ほど多くの被験者を必要としないで、正確に有効性(ベネフィット)と安全性(毒性・リスク)の両方をそれらのバランスに基づいて統合し同時に評価する検定方法を確立することである。その際、バランスを定量化する方法、一つの検定結果を出すための成分の統合方法が重要な課題となる。 治療法の有効性を有効率(割合)で、安全性を副作用の発現率(割合)で評価する場合、リスクとベネフィットの定量的なバランスを勘案し、医学的重大さを加味する新しい評価方法を確立するために、研究代表者らの、平成18-19年度の「医学的な重要性を加味した臨床試験のデザインと評価方法に関する統計学的研究」の研究成果の適用ができるように、sphericityの性質を本研究に応用することを検討した。複数のエンドポイントが割合である場合の検定の多重性の調整に関する文献調査を行った。有効性と安全性の変数のタイプがイベント発現までの時間の組合せの場合、前研究の成果が応用できる。これまでの成果を中間発表として国際学会で発表し、本研究について海外の研究者と意見交換および情報収集を行った。 リスクとベネフィットの定量的なバランスについては従来まったく考えられていないので、医学分野での見解を調査するために、関連する治療やQOLの分野の文献調査、医学専門家(医師など)との会合、医学系関連学会において情報収集し、検定統計量の構築・分析と解析プログラムの開発を行った。
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