2010 Fiscal Year Annual Research Report
リスクとベネフィットを定量的に統合評価する臨床試験のデザインに関する統計学的研究
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20500267
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| Research Institution | National Institute of Public Health |
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Principal Investigator |
西川 正子 国立保健医療科学院, 技術評価部, 統計高度利用室長 (50373395)
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| Keywords | 医療・福祉 / 医薬生物統計 / 臨床試験 |
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| Research Abstract |
本研究は、既存の方法がとりあげなかった、有効性(ベネフィット)と安全性(毒性・リスク)の両方をそれらのバランスに基づいて統合し、同時に評価する検定方法を確立することである。その際、バランスを定量化する方法および一つの検定結果を出すための成分の統合方法が重要な課題となる。
昨年度から引き続いてブートストラップ法を応用することについて検討を行った。帰無仮説下の状況を作ってブートストラップ法を用いて検定統計量の分布を見ることが通常多くなされているが、本研究における帰無仮説下の状況としては無限個数が想定され、代表的な帰無仮説について検討を行った。解析プログラムを作成して小規模のsimulationにより検定統計量の挙動を分析した。一方、帰無仮説の検定に信頼区間を応用することも検討した。1変量の割合の差の場合についてのブートストラップ法を応用した信頼区間の構成に関する先行研究を、本研究における2変量の割合の差の場合に拡張することを検討した。理論展開を行い、解析プログラムを作成して小規模のsimulationにより第1種の過誤や検出力について考察し、2変量の信頼領域を利用した帰無仮説の検定の挙動を分析した。
提案する方法により、リスクとベネフィットの定量的なバランスには単調性の自然な仮定のみを必要とし、従来法よりもバランスの与え方に柔軟性を持たせることが可能になった。小規模の仮想データを用いて、医学的見解を反映させたようなリスクとベネフィットの定量的なバランスに関する情報を与え、本方法の挙動のテストを行った。これまでの知見を国内学会や国際学会で発表し、本研究について国内や海外の研究者と意見交換した。
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