2008 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の不規則領域のデータベースの構築と機能解析
Project/Area Number |
20500269
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 謙多郎 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80178970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 周吾 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90272442)
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Keywords | 生体生命情報学 / 蛋白質 / プロテオーム / 構造予測 / 構造評価 / 構造精密化 |
Research Abstract |
disorder領域を抽出する基準を検討し、disorder領域のデータベースのプロトタイプを構築した。当初は、基本的な機能のみを実現し、次年度以降の解析に備え、利用者が指定した基準でそのまま検索できるシステムを構築した。(1)PDBに登録されている、X線結晶構造解析によって構造決定された各タンパク質構造に対し、温度因子を抽出した。また、PDBに登録されているすべての構造に対し、DSSPを用いて、溶媒露出表面積、二次構造判定の結果を収集する。これらの結果を内部的なデータベース(「構造特徴データベース」と名付ける)に記録した。(2)PDBに登録されている各タンパク質構造に対し、構造因子を用い、逆フーリエ変換・フーリエ変換を行って電子密度マップ(2FoFc)を再現した。各残基の周辺の電子密度を求め、disorderの「程度」を評価する基準を求めた。得られた結果を内部的なデータベース(「電子密度マップデータベース」と名付ける)に記録した。(3)利用者が与える基準に応じて、構造特徴データベース、電子密度マップデータベースのそれぞれから、柔軟にdisorder領域を検索できるシステムを開発した。(4)(1)で抽出した構造特徴に対し、(2)の結果と比較しながら、disorder領域の特性を解析した。とくに、温度因子の高いループ部分、平均を大幅に上回る溶媒露出表面積をもつ部分、DSSPによる二次構造予測の結果、3/10ヘリックス、piヘリックス、ターン、ベンド、ループと判定された部分は、disorder領域の候補となる。ただし、温度因子は誤差を含み、また同一構造内でも、構造環境や局所的なパッキングの影響を受けるので、ループ部分の抽出の際に注意した。
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Research Products
(5 results)