2009 Fiscal Year Annual Research Report
質量分析プロテオミクスにおける網羅的スプライシング部位解析法の開発
Project/Area Number |
20500271
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石野 洋子 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特任准教授 (90373266)
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Keywords | プロテオーム情報処理 / 機械学習 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
本年度は,スプライス部位にまたがるペプチド同定法の有効性検証の研究を主に行った.はじめに,昨年構築した理論を利用して,ペプチドのイオン強度を予測できるかどうかの検証を以下のように行なった.まず,線虫(Caenorhabditis elegans)のゲノムDNA配列データをNCBIからダウンロードし,小規模な人工的な質量分析データを作成した(ここで線虫のデータを用いるのは,同様のデータが研究目的で述べたChenらの先行研究で用いられているためであり,結果を彼らの方法と比較するためである).次に,選択的スプライシングがほとんど起こらないといわれている(つまり,必ず決まったスプライス部位でのみスプライシングが起きていることになり,テストデータとして評価しやすい利点がある)分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)の質量分析プロテオームデータを用意した.これら2種類のデータに対して,スプライス部位が正しく検出できるか検証したところ,あまり良い結果が得られなかった.そこで,質量分析のデータを正しく同定する技術を先に確立するため,低速の液体クロマトグラフィーを質量分析の前段に加えたエレクトロスプレーイオン化time-of-flight型タンデム質量分析(LC/ESI-TOF MS/MS)において,測定に不感時間損失(Dead time loss)とflightチューブ長の変動の2つ要因が関与している場合の,事後キャリブレーション方法を検討した.最終的に,MS測定モードとMS/MS測定モードが交互に切替わって実行されることに着目し,最初にMS/MSイオンを内部の較正物質として利用してflightチューブ長の変動を較正し,その後,不感時間損失を較正するという方法を新たに提案し,その有効性を確認した.
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Research Products
(4 results)