2008 Fiscal Year Annual Research Report
逐次経頭蓋電気刺激法によるマウス頭頂連合野の機能解析
Project/Area Number |
20500281
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
菱田 竜一 Niigata University, 脳研究所, 准教授 (90313551)
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Keywords | 神経科学 / 生理学 / 脳・神経 / 可視化 / 認知科学 |
Research Abstract |
(1)一次感覚野・高次感覚野・領野間機能的結合マップの作製 (1)抑制性フラビン信号の解析 下記の経頭蓋電気刺激法による機能的結合の探索により、抑制性と思われる活動の伝播を可視化した。29野付近や体性感覚野のバレルに対応する領域の刺激により、ネガティブなフラビン信号が視覚野付近に見られた。この信号が血流の増加によるものでないことを吸光度の測定により確認した。 (2)経頭蓋電気刺激法による機能的結合の探索 視覚・聴覚・体性感覚の自然刺激により、各一次感覚野のマップを作製した。経頭蓋電気刺激による神経活動の誘起を繰り返し、各一次感覚野を起点として興奮性の活動が伝播する様相を明らかにした。その結果、各モダリティの情報が2野(各一次感覚野に囲まれた領域に位置する)に集積することや、この2野からは29野へとの興奮性の活動が伝播することが分かった。つまり、2野および29野が異なるモダリティの感覚情報の統合に働くことを示唆する結果を得られた。 (2)29野破壊の斜視視覚野応答抑圧に対する効果 29野を破壊したマウスにプリズムを装着して1週間の飼育の後、一次視覚野の応答を定量したところ、無処置のマウスには見られた視覚野応答抑圧がこのマウスでは観測されなかった。この結果から、視覚情報とヒゲ情報の統合に29野が機能していることが分った。
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