2009 Fiscal Year Annual Research Report
逐次経頭蓋電気刺激法によるマウス頭頂連合野の機能解析
Project/Area Number |
20500281
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
菱田 竜一 Niigata University, 脳研究所, 准教授 (90313551)
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Keywords | 神経科学 / 生理学 / 脳・神経 / 可視化 / 認知科学 |
Research Abstract |
(1)一次感覚野・高次感覚野・領野間機能的結合マップの作製 経頭蓋電気刺激法による機能的結合の探索を繰り返し、結果の再現性を確認するとともに、29野からの機能的結合を新たに見つけた。29野を電気刺激すると、その前方Bregmaより約1ミリ後方付近に興奮性の小さなスポットが観察された。前部帯状回の一部と思われるその部位を電気刺激すると、さらに前方の前部帯状回へと興奮性の活動が広がった。この機能的結合は霊長類の背側皮質視覚路との類似性を示しており、「マウス・29野は霊長類・頭頂連合野に相当する」という申請者の仮説を支持する結果を得られた。 (2)29野から一次感覚野への逆行性入力の効果 後肢皮膚への電気刺激により誘起された神経活動の興奮は、一次・二次体性感覚野だけでなく、2野や29野、前部帯状回にまで伝播することを発見した。この皮膚電気刺激を用いて、聴覚野への逆行性入力の効果を調べた。音刺激と皮膚電気刺激との同時刺激で誘起された聴覚野の反応は、音単独だけの刺激では見られた反応よりも小さく、29野等からの逆行性入力が抑制性であることを示唆する結果を得られた。 (3)in vitroスライスイメージングによる機能的結合の解析 29野の機能を分子生物学的に解析するため、CNR/プロトカドヘリンーα欠損マウスから、一次・二次視覚野・29野を含むスライス切片を調整し、機能的結合を解析したが、29野を起点とする結合にはコントロール群との顕著な差異は見らなかった。しかし、一次・二次視覚野間の興奮伝播が欠損マウスでは有意に大きいという結果を得、皮質内機能的結合形成の分子メカニズムの一端を明らかにできた。
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Research Products
(3 results)