2009 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠・覚醒時のヒスタミンニューロンが示す活動変化の制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
20500288
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
高橋 和巳 Fukushima Medical University, 医学部, 講師 (90325952)
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Keywords | 睡眠 / 覚醒 / ヒスタミン / ノルアドレナリン / 視索前野 / ユニット記録 |
Research Abstract |
前年度より引き続き、ヒスタミン(HA)ニューロンを含めた覚醒系ニューロン群のふるまいを明らかにするため、青斑核(LC)のノルアドレナリン(NA)ニューロンの単一ニューロン活動記録を行った。その結果、LC-NAニューロンは覚醒の開始時に、これまでに記録したHAニューロン、オレキシンニューロン、視索前野(POA)覚醒ニューロン等のどの覚醒ニューロン群よりも早く活動を開始することがわかった。睡眠の開始(覚醒の終了)時にも、LC-NAニューロンはHAと共にPOA睡眠ニューロンの活動開始に先行して活動を低下させていた。これらの結果は睡眠・覚醒の切り替えにおいて、POA睡眠ニューロンではなく覚醒ニューロン群の活動変化が重要であるという我々の仮説を支持している。HAニューロンに対してNAは、間接的に興奮性作用を持つことが示されており、覚醒ニューロン群の連鎖的な活動変化のメカニズムが考えられる。POA睡眠ニューロンとの同時記録についても実験装置の工夫などにより可能であることがわかったが、長時間安定させるのが難しく、現在も記録実験を続けているところである。また、連携研究者の小山、辛島らとともに、多点記録用電極の開発、テストを行っており、脳幹において数個のニューロンを同時に記録できるようになった。今後はこの方法の利点を生かして、安定したニューロン活動記録を行い、脳幹やPOAを含む視床下部での2か所同時記録の質を高める。
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