2008 Fiscal Year Annual Research Report
豊かな環境飼育による中脳皮質辺縁ドパミン神経系の活性化と栄養因子の関連性の解析
Project/Area Number |
20500289
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
飛田 秀樹 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (00305525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 恵介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (00405177)
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Keywords | ドパミン / 辺縁系 / 大脳皮質 / 受容体 / 栄養因子 / 認知 / 飼育環境 / ラット |
Research Abstract |
ラットを豊かな環境で飼育した場合の中脳皮質辺縁ドパミン(DA)系の機能変化を、DAレセプター発現の変化および脳内DAの定量化から展開した。 豊かな環境飼育による内側前頭野(mPFC)DAレセプター発現の変化を検討したところ、D2Rの発現は変化しないがDIR及びD4Rの遺伝子発現が低下していることが分かった。また、D1RおよびD2Rは側坐核においてに軽度減少し、扁桃体では著しい低下が見られた。注意欠陥多動性障害(ADHD)との関連が注目されているD4Rでは、扁桃体での発現変化は認められなかったが海馬において著しい発現上昇が認められた。現在、ADHDモデル動物として知られるSHRラットを用い豊かな環境により脳内各部におけるD4R遺伝子発現変化と行動の変化を調べている。 脳内DA量の定量化のため、まずin vivo HPLC法を用いてmPFCでのDA量を検討した。しかし、現有のシステム(ECD-100)では還流液の速度やプローブの長さの最適化を試みたが十分な検出ができないかったため、mPFCのDA量は非常に微量であることが分かった。DA選択的生体膜を用いたin vivo real-time測定については、電圧の異なる2電極間からのデータを差分することによりより正確なDA量の測定がかのうであり、またプローブ装着2週後までの測定が可能であることが分かった。 DAアゴニストおよびアンタゴニストを用いた薬理学的実験およびプレイオトロフィンのmPFC投与にDA神経系への影響に関する実験は、H20年度に実行に至らなかったためH21年度に予定している。
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Research Products
(4 results)