2009 Fiscal Year Annual Research Report
豊かな環境飼育による中脳皮質辺縁ドパミン神経系の活性化と栄養因子の関連性の解析
Project/Area Number |
20500289
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
飛田 秀樹 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (00305525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 政隆 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10360637)
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Keywords | 豊かな環境飼育 / ドパミン受容体 / ADHD / SHRラット / オープンフィールド / RT-RCR / CART / pleiotrophin |
Research Abstract |
豊かな環境飼育による脳内ドパミン(DA)神経系変化の薬理学的解析にあたり、まず注意欠陥多動性障害(ADHD)モデル動物として知られるSHRラットを用いて豊かな環境飼育による脳内各部におけるDAレセプター(DAR)およびCART遺伝子発現変化と行動変化の解析を実施し、これまでに実施したWistarラットを用いた実験結果との比較検討により、系統差に依存しない普遍的な変化およびADHD病態に特異的な行動発現とDARの特定化に挑んだ。 生後25日齢から5週間の豊かな環境飼育により、両系統ラットに共通したDARおよびCART発現の変化として、内側前頭野(mPFC)のD4RおよびCARTの発現低下、側坐核(NAc)でのD4Rの発現増加、扁桃体(Amy)でのD3RおよびD4Rの発現低下、海馬(HIP)でのCARTの著しい低下が認められた。また、豊かな環境飼育におけるADHD特異的変化として、mPFCでのD2RおよびD3Rの発現増加とNAcでのD3Rの発現低下、HIPでのD3Rの発現低下が認められた。行動解析から、豊かな環境飼育群では両系統ラットともにシリンダーテスト5分間の特に後半に安静時間が長くなることが示され、オープンフィールドテストでは全移動距離に差は見られないもののSHRラットの方が圧倒的に中央部分への侵入が多くなることが示された。しかし中央部分への侵入は系統差により飼育環境の違いによらないことが分かった。系統差に依存しない普遍的な変化およびADHD病態に特異的な変化について明らかになつてきたため、薬理学的な解析をH22年度に予定している。 プレイオトロプィン(PTN)処置によるmPFCにおけるDA神経系変化の解析は、十分に実施出来なかったためH22年度に引き続き検討をしていく。
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Research Products
(4 results)