2009 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞が分泌する脳神経栄養因子の作用機序の解明
Project/Area Number |
20500291
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
板倉 誠 Kitasato University, 医学部, 講師 (30398581)
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Keywords | BDNF / グリア細胞 / 開口放出 / リン酸化 / リン酸化酵素 / SNARE / matureBDNF / proBDNF |
Research Abstract |
研究は、グリア細胞からの脳神経栄養因子(BDNF)放出がどのような分子機構によって制御されているのかを明らかにすることを目的としている。申請者らはこれまでに抗mature-BDNF,抗pro-BDNF抗体を、ウサギを用いて作製してきた。しかしながら、BDNFの脳内での存在量は非常にわずかであるので、定量的な解析には免疫沈降法を用いてBDNFを濃縮する必要がある。そこで前年度はmature-BDNF, pro-BDNFのマウスモノクローナル抗体を作製したが本年度はさらに、mature-BDNF, pro-BDNF両方を認識するpan-BDNF抗体のマウスモノクローナル抗体も作製した。 また、本研究ではグリア細胞における分泌制御機構を解析することがひとつの特徴である。そこで前年度作製したSNAP-23-Ser95,-Ser110,-Ser120,Syntaxin4-Ser15の4つのリン酸化抗体に加えてSNAP-23-Ser160, mSec22b-Ser136の2つのリン酸化抗体を作製した。申請者らはこれまでに培養グリア細胞やグリオーマであるC6細胞を、Protein kinase C(PKC)の活性化剤であるPMAで処理すると強制発現したヒト成長ホルモン(hGH)の開口放出が抑制することを見出している。その際、Syntaxin4,mSec22のリン酸化量はほとんど変動しなかったのに対し、SNAP-23のリン酸化はSer95,Ser120,Ser160は増加し、Ser110は減少した。このことは、PKCによる開口放出の抑制機構にSNAP-23のリン酸化が関与している可能性を示唆している。
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