2009 Fiscal Year Annual Research Report
デルタ2グルタミン酸受容体の新たなシグナル伝達機構―N末端、C末端領域の機能解析
Project/Area Number |
20500292
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
幸田 和久 Keio University, 医学部, 講師 (40334388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江見 恭一 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (70468495)
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Keywords | 小脳 / グルタミン酸受容体 / シナプス可塑性 |
Research Abstract |
δ2グルタミン酸受容体(δ2受容体)のLIVBPドメインのin vivoでの機能を明らかにするために、LIVBPドメインの欠失変異体(δ2ΔLIVBP)を、シンドビスウイルスベクターを用いてδ2受容体欠損プルキンエ細胞に導入し、phenotype rescue法により解析を行なったところ、非常に興味深いことに、δ2ΔLIVBPはLTDを回復させたが、形態的なシナプスの異常は回復させなかった。このことはδ2受容体のN末端のシナプス形成能とC末端のシナプス可塑性誘導能とが、1分子の中で乖離していることを示している。またδ2受容体のLIVBPドメインにシナプス誘導能があることは、LIVBPドメインがシナプス前部のタンパク質と結合している可能性を強く示唆しており、それが小脳顆粒細胞から放出されているCbln1であることが明らかになった。一方、δ2受容体の細胞内C末端を介したPDZタンパクとの結合が、長期抑圧(LTD)誘導に必要であることを我々は既に明らかにしているが、特にPTPMEGとの相互作用が必要であることを、シンドビスウイルスを用いたPTPMEG及びその変異体の導入によって示した。PTPMEGはチロシン脱リン酸化酵素であるので、substrate trap法を用いてその基質の同定を試み、それに成功した。小脳プルキンエ細胞におけるシナプス可塑性に、チロシン脱リン酸化が必要であるとの所見は今までに報告がなく、この成果は論文として報告するべく、現在準備中である。
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[Journal Article] Knockdown of DISC1 by in utero gene transfer disturbs postnatal dopaminergic maturation in the frontal cortex and leads to adult behavioral deficits.2010
Author(s)
Niwa M, Kamiya A, Murai R, Kubo K, Gruber AJ, Tomita K, Lu L, Tomisato S, Jaaro-Peled H, Seshadri S, Hiyama H, Huang B, Kohda K, Noda Y, O'Donnell P, Nakajima K, Sawa A, Nabeshima T
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Journal Title
Peer Reviewed
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