2008 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトール3リン酸受容体が高次脳機能に果たす役割の解明
Project/Area Number |
20500301
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
久恒 智博 The Institute of Physical and Chemical Research, 発生神経生物研究チーム, 研究員 (10321803)
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Keywords | Inositol trisphosphate receptor / knockout mice / Ca^<2+> signal / Brain |
Research Abstract |
様々な脳領域に発現するIP_3R1を介するカルシウム動態と脳機能(記憶、情動、協調運動性、統合失調症との関わり)の関係を明らかにする為に、プルキンエ細胞特異的、小脳中脳特異的及び前脳特異的にIP_3R1を欠損したマウスを作成した。このうち、前脳特異的IP_3R1欠損マウスについて、行動バッテリー解析を行った結果、当該マウスがホームゲージでの活動量の増加などを示すことが明らかになった。しかしながら、Total IP3R1ノックアウトマウスに見られるような、てんかん様症状は見られなかった。一方、L7プロモーター下にリン酸化変異体IP_3R1(1775S→A)を発現するトランスジェニックマウスの作製に関しては、その発現量が極端に少なくプロモーターの変更あるいは、ノックインマウスの作製が必要ということが明らかになった。また、線条体特異的にCreを発現するトランスジェニックマウスをGRP88遺伝子のプロモーターを用いて作製した。さらに、このマウスをLacZリポーター遺伝子をもつマウスと掛け合わせ、Creが線条体特異的に発現していることを確認している。また、GPR88の抗体を作製し、発達段階でのGPR88の発現、GPR88が発現する細胞種を免疫染色を用いて明らかにした。その結果、GPR88は線条体のMedium spiny neuronに多く発現しており、介在ニューロンには発現していないことが明らかになった。また、グリア細胞には、GPR88は発現していなかった。
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