2009 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトール3リン酸受容体が高次脳機能に果たす役割の解明
Project/Area Number |
20500301
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
久恒 智博 The Institute of Physical and Chemical Research, 発生神経生物研究チーム, 研究員 (10321803)
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Keywords | IP3 receptor / calcium / brain |
Research Abstract |
1、作成した脳領域特異的IP_3R1ノックアウトマウスの自発活動活性、オープンフィールド試験、明暗従来試験、高架十字迷路試験、聴覚性驚愕反応試験、恐怖条件付け試験、モリス水迷路、協調運動(フットプリント)などの行動解析を行い、行動異常を明らかにした。 2、脳領域特異的IP_3R1欠損マウスの脳神経細胞の形態をゴルジ染色法を用いて明らかにし、樹状突起スパインや樹状突起の形態異常を明らかにした。この結果により、IP_3R1を介したシグナルが一度形成された神経形態の維持に非常に重要な役割を果たすことを世界で初めて明らかにした。また、電気生理的に神経活動を測定し、脳特異的IP_3R1欠損マウスの神経活動の異常を明らかにした。 3、水島らによりクローニングされた線条体特異的に発現するorphan receptorである、GPR88(Mizushima K.et al., 2000 Genomics 69, 314-321)遺伝子のプロモーターの下流にCre recombinaseを配置したトランスジェニックマウス(筆者前年度作製)を、LacZを発現するリポーターマウスと交配し線条体のMedium Spiny Neuronに特異的にCreが発現することを確認した。また、このGRP88-Cre Tgマウスを用いて、線条体特異的IP_3R1コンデイショナルマウスを作製した。今後は、このマウスを用いた行動解析、また、IP_3R1とハンチントン病などの発症機構などとの関係解明を目指して行く。
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Research Products
(2 results)