2008 Fiscal Year Annual Research Report
嗅球糸球体近傍ニューロン群の体系的解析:2タイプの傍糸球体細胞を中心として
Project/Area Number |
20500309
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小坂 克子 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (60202058)
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Keywords | ニューロン / スパイク / ナトリウムチャネル / 裏打ち蛋白 / 免疫細胞化学 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
嗅覚の一次中枢嗅球における嗅覚情報処理の初段階の構造的基盤を解明することを目的として1)申請者らが提唱しているtype 1 PG cell、 type 2 PG cellの軸索の有無・広がり・ターゲットの点での差異について、2)type 1 PG cellの1グループであるtyrosine hydroxylase(TH)陽性ニューロンのサブグループの形態学的解析を行った。 1)軸索初節部及びランビエ絞輪はスパイク発生部位と考えられ、NaチャネルやankyrinG, βIV-spectrin等の細胞骨格・裏打ち蛋白が集積している。このβIV-spectrinの発現を調べたところ、一部の大型のTH陽性type1PGcellに軸索が確認でき、またNOS陽性PGcellの樹状突起に軸索初節部及びランビエ絞輪様hot spotを発見した。他の形質を示すtype 1 PG cell、type 2 PG cellにはその存在は確認できなかったので、非常に少ないまたはないと結論した。 2)TH陽性type1PGcellについてBrdUを腹腔内投与し、生後8週令で固定しニューロンの発生時期による細胞体の大きさについて検討した。胎生13日、17日、生後3日、4週で発生したニューロンの比較から、胎生期に大型で糸球体間の連絡を行っているTH陽性ニューロンが発生することが確認できた。 3)糸球体層の観察過程で、マウスの糸球体層、嗅神経層には自家蛍光を発する脂溶性物質が非常に多く分布していることを発見した。ラットには見られないこれらの脂溶性物質は、嗅球の腹側に偏在することが判明した。
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