2009 Fiscal Year Annual Research Report
嗅球糸球体近傍ニューロン群の体系的解析:2タイプの傍糸球体細胞を中心として
Project/Area Number |
20500309
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小坂 克子 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (60202058)
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Keywords | ニューロン / 免疫細胞化学 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 神経新生 |
Research Abstract |
嗅覚の一次中枢嗅球の構造的基盤を解明を目的として昨年度に引き続きtype 1 PG cellの1グループであるtyrosine hydroxylase(TH)陽性ニューロンを解析した。 逆行性トレーサーFluorogold(FG)を用いた実験結果から、長い糸球体間結合を担っているニューロンは主に糸球体層に存在する大型のTH陽性GABAニューロン、おそらく特殊なPG cellsであることが判明していた。今回は、順行性かつ逆行性トレーサーcholera toxin B(CTB)と、順行性トレーサーPHALを用いて実験を進めた。CTBをごく少量、糸球体層に注入した場合、かなり離れた部位の糸球体近傍大型TH陽性ニューロンの細胞体が逆行性に標識された。トレーサーは細胞体の核周辺部に集積し、標識された細胞体の樹状突起はCTB陰性であった。糸球体内にはそれに代わり注入部位から順行性に標識されたCTB陽性の線維及びpuncta様の構造が確認できた。PHALでも同様であった。糸球体近傍TH陽性GABAニューロンは成体でもSVZでニューロン新生し、RMSにより嗅球糸球体層に組み込まれるとされているので、BrdU投与(胎生期(E13, E17)、新生児期(P3)、juvenile(4w),成体(8w))し、生後8wまたは12, 16wに固定し、細胞体サイズの計測を行った。E13にBrdU投与したグループでは小型TH陽性ニューロンとかなり多数の大型TH陽性ニューロンが標識され、大型TH陽性ニューロンの標識の比率はE17, P3ではかなり減り、P4w及びP8wにBrdU投与したグループでは小型TH陽性ニューロンのみの標識であった。 これらのことから、成体で新生しているTH陽性ニューロンは小型のものであり、嗅球糸球体間結合を担う大型TH陽性ニューロンはこのグループとは異なると考えられる結論を得た。
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Research Products
(3 results)