2009 Fiscal Year Annual Research Report
代謝型グルタミン酸受容体7型遺伝子欠損マウスにおける性行動異常のメカニズムの解明
Project/Area Number |
20500313
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
時田 美和子 (馬杉 美和子) Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (10420712)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 浩隆 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20363971)
|
Keywords | mGluR7 / 性行動 / 攻撃行動 / 社会的行動 |
Research Abstract |
mGluR7遺伝子欠損マウスは繁殖が困難であるが、その原因として以下の可能性を考えている。 仮説I. 「海馬および視床下部・下垂体・副腎系のいずれかの部位の異常」 仮説II. 「生殖器系の異常」 仮説III. 「上記I以外の脳の部位の異常」 この3つの可能性を検証する第。段階として、H20年度は性行動の詳細を解析した。 1. 雄の性行動を解析したところ、雌の追尾、マウント、挿入、射精のいずれにおいても低下傾向にあった。しかしながら、野生型およびmGluR7遺伝子欠損マウスの雄と野生型の雌マウスとの組み合わせによる繁殖能力を検討したところ、野生型同士と比べて頻度は低下するもののmGluR7遺伝子欠損マウスの雄と野生型の雌の問においても繁殖は可能であった。 H21年度は、攻撃行動などの社会的行動の解析を追加して、行動解析を詳細にすすめた。 2. mGluR7遺伝子欠損マウスでは攻撃性が低下しており、相手マウスに対して毛繕いなどを行うことが観察された。 3. 性行動および攻撃行動のいずれもが嗅覚系に強く依存することが知られている。嗅覚の異常の有無を解析したところ、mGluR7遺伝子欠損マウスではにおいの好みが野生型と異なっていた。 4. 内分泌系の解析によりmGluR7遺伝子欠損マウスではテストステロンが低値であることが明らかになった。
|