2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500315
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
林 謙介 Sophia University, 理工学部, 教授 (50218567)
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Keywords | 神経細胞 / 樹状突起 / 細胞移動 / 細胞極性 / 徴小管 |
Research Abstract |
神経細胞の移動と突起形成における中心体の役割について。 通常、神経突起の伸長は突起先端での微小管重合に依存していると考えられている。しかし、例えば小脳顆粒細胞のように、細胞体が移動して後方に突起が形成される場合、突起の伸長に必要な微小管がどのように供給されるのかはよくわかっていない。我々は、培養基質によって異なる突起形成をおこなうNeuro2aを用いて、微小管形成中心である中心体の動態と、微小管切断酵素の働きについて調べた。Neuro2aは、PLL上では細胞移動はせずに突起伸長を、ラミニン上では細胞移動による突起伸長をした。移動するNeuro2a細胞では中心体が移動の前方ではなく、移動の後方、すなわち形成される突起の根元に位置していた。また、Neuro2aでは中心体に結合する微小管がわずかしか見られなかった。したがって、Neuro2aの中心体は微小管を介して細胞核を牽引する役割を持たないことが示された。突起伸長に対する中心体の役割を調べるために、中心体に局在し、微小管を切断する酵素Spastinを発現抑制した。すると細胞移動と突起伸長が抑制された。このことから、Neuro2aにおいては中心体は細胞移動を牽引する役割よりも突起形成に必要な微小管の供給源としての役割が大きく、また、微小管切断酵素Spastinによる微小管再構成が突起伸長に重要であることがわかった。
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