2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Involvement of microtubule-anchoring proteins in the dendritic development of neurons
Project/Area Number |
20500315
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
HAYASHI Kensuke Sophia University, 理工学部, 教授 (50218567)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 細胞・組織 / 神経科学 / 脳・神経 / 発生・分化 |
Research Abstract |
我々は、神経発生の研究においてこれまであまり注目されていなかった、微小管マイナス端をアンカーする蛋白分子群に着目し、これまでの予備的研究に基づいて次のような仮説をもっている。 (1)神経細胞の移動に関して。神経細胞の移動の過程において細胞核の移動が見られるが、細胞骨格と細胞核との結合様式はよくわかっていない。我々が調べたところ、ニナインは核膜にも存在が見られる。細胞核の移動の力点として、核膜に微小管マイナス端がアンカーしているのではないだろうか。(2)樹状突起形成に関して。樹状突起において、中心体から離れた微小管がランダムに配向していることは樹状突起の発達に重要な意味を持っている。マイナス端を先に向けた微小管を樹状突起内にアンカーし、安定化する仕組みがあるのではないだろうか。 本研究ではこれらの仮説を検証するため、次の実験を行う。 (1)神経細胞の移動に関して。 移動中の神経細胞は移動方向に向けて先導突起を形成する。先導突起の先端には成長円錐が発達しているが、通常の神経軸索の先端にある成長円錐との違いについてはよくわかっていない。我々はこれまでの研究によって、先導突起の成長円錐は盛んに活動はしているが、細胞体の移動が阻止されている状況では基質上を進行することがない、すなわち、先導突起は伸長する能力を欠くことを見出している。そこで、先導突起のシグナル伝達系について研究を進める。通常の成長円錐の進行を制御するGSKが、先導突起の発生とその活動にどのように関わっているのかを調べる。 (2)樹状突起形成に関して。 これまでの研究によって、樹状突起の形成に伴って微小管アンカータンパクであるニナインが、その局在を中心体から樹状突起に移すことが明らかになった。そこで、樹状突起内におけるニナインの発現変化、存在様式、挙動などを詳しく調べ、ニナインが樹状突起内でどのような構造をつくりどのような機能を持っているのかを明らかにする。また、神経細胞においてニナインの発現を抑制する実験系をつくり、ニナインの欠失が樹状突起の形成や機能にどのような影響を及ぼすかを調べる
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