2008 Fiscal Year Annual Research Report
フェロモン記憶機構にかかわるシナプスのリアルタイムイメージング解析
Project/Area Number |
20500319
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
市川 眞澄 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (20124414)
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Keywords | 鋤鼻器 / 副嗅球ニューロン / 共培養 / シナプス可塑性 / 共焦点レーザー顕微鏡 / カルシウム / GFP |
Research Abstract |
鋤鼻系はフェロモンの受容、情報処理をおこない、生殖をはじめとする社会行動に関係し、動物にとって重要な神経路である。これまでに、フェロモン記憶形成の際に、副嗅球内の相反性シナプスが形態変化を起こすことを電子顕微鏡的に明らかにした。シナプス可塑性のメカニズムをさらに詳細に検討するために、リアルタイムイメージングにより以下の研究を行った。 鋤鼻ニューロンを刺激し副嗅球でおこるシナプスの変化をリアルタイムイメージングで解析するため、鋤鼻器と副嗅球ニューロンの共培養を確立した。さらに、培養副嗅球ニューロンをリポフェクション法により、GFPでニューロンを標識し、ニューロンの樹状突起およびシナプスの機能分子動態を、共焦点レーザー顕微鏡を用いてリアルタイムイメージングにより解析した。ノルアドレナリンやオキシトシンなどで薬理学的にニューロンを興奮すると、樹状突起上の棘突起(スパイン)が特有の動きをすることが明らかになった。棘突起はシナプス構成部位であり機能的に重要である。さらに確認のため、樹状突起および棘突起の形態変化を共焦点レーザー顕微鏡および電子顕微鏡で解析している。 また、カルシウムイメージング法により、刺激を受けたニューロンにおけるカルシウムの動態を解析した。この結果、ノルアドレナリンやオキシトシンなどで薬理学的にニューロンを興奮すると、その反応性においていくつかのパターンを示すことが明らかになった。また、ニューロンのみならずグリア細胞も反応することから、グリア細胞による間接的な影響も考慮する必要性が明らかになってきた。 リアルタイムイメージングによる刺激依存的シナプスの可塑性を解析することは、記憶のシナプスメカニズムを研究する方法として大変優れていると結論できる。
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