2009 Fiscal Year Annual Research Report
正常型プリオン蛋白質とそのホモログが引き起こす神経変性/保護作用の分子機構解明
Project/Area Number |
20500324
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山口 尚宏 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40432976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上園 保仁 国立がんセンター研究所, がん患者病態生理研究部, 部長 (20213340)
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Keywords | プリオン蛋白質PrP / Doppel(Dpl) / 神経変性死 / 代謝型グルタミン酸受容体 / mGluR1 / 細胞内Ca2+オーバーロード / 免疫沈降 / 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET) |
Research Abstract |
本研究の目的は正常型プリオン蛋白質(Prion Protein/PrP)とそのホモログ、及びそれらのミュータント蛋白質が引き起こす神経変性/保護作用の分子機構解明である。PrPの機能解析のために我々が作成したプリオン蛋白(PrP)遺伝子ノックアウト(Ngsk Prnp-/-)マウスは、生後約1年すると小脳プルキンエ細胞変性死を伴う失調症状を呈したこの異常はNgsk Prnp-/-がPrPのホモログの1つであるDoppel(Dpl)を過剰発現しておりPrPの機能消失とDplの過剰発現との両方が原因であることがわかったが、その分子機構については未だ解明されていない。我々は、PrPはCa2+動員性の受容体と相互作用することで細胞内Ca2+を調節しており、その調節機構が破綻することで神経細胞の変性死が引き起こされることを考え、プルキンエ細胞に多く発現しているCa2+動員性受容体である代謝型グルタミン酸受容体I型(mGluR1)とPrP関連蛋白質との結合を、マウスの培養神経細胞に発現させ免疫沈降及び蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を用いてを検討し、mGluR1とPrP、DplとmGluR1が結合しうることが確認された。このことはPrPおよびDplがmGluR1を介して神経細胞内Ca2+濃度を調節していることを示唆している。また、PrPとの細胞膜上での結合蛋白質をcDNAライブラリを用いたexpression cloning法によりスクリーニングを行った。その結果、新たにplasmalemma vesicle associated protein(Plvap/PV-1)を結合蛋白質候補としてクローニングすることができた。現在、このPV-1分子やmGluR1の機能がPrPの欠損変異体によってどういう影響を受けるのかを培養細胞を用いて検討中である。
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Research Products
(1 results)