2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハンチントン病モデルマウスにおけるナトリウムチャネルベータ4の発現抑制
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20500329
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小山 文隆 The Institute of Physical and Chemical Research, 構造神経病理研究チーム, 研究員 (40194641)
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Keywords | ナトリウムチャネルベータ4 / ハンチントン病 / モデルマウス / 蛍光タンパク質 / ベータ4プロモーター / 遺伝子発現抑制 |
Research Abstract |
ハンチントン病(HD)は舞踏運動、精神および知能障害を特徴とする常染色体優性遺伝の神経変性疾患で、ハンチンチン遺伝子に存在するCAGトリプレットリピートの伸長[翻訳産物は伸長ポリグルタミン(polyQ)]が原因で発症する。その神経病理学的特徴は線条体での神経細胞死である。我々はHDモデルマウスをDNAマイクロアレイで解析し、モデルマウスおよびHD患者の線条体で発現が顕著に低下する分子としてナトリウムチャネルベータ4サブユニット(ベータ4)を同定した。伸長polyQによるβ4の遺伝子発現抑制メカニズムをin vivoで明らかにするため、ベータ4プロモーター制御下で蛍光タンパク質を発現するトランスジェニッケマウスの作製を行った。 約20匹のファウンダーマウスから脳でVenusを発現する6ラインを同定した。Venusを線条体で強く発現する、皮質で強く発現する、および線条体および皮質で強い発現を示すラインに大別できた。線条体で強い発現を示すトランスジェニックマウスをHDモデルマウスと交配しダブルトランスジェニックマウス(double TG)を作製した。このマウスの線条体ではVenusの発現が強く抑制された。 以上の結果から伸長polyQによるベータ4の発現抑制をin vivoで解析しうるトランスジェニックマウスが確立できた。
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