2009 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質チロシン脱リン酸化酵素による神経機能制御機構の解明
Project/Area Number |
20500332
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
大西 浩史 Gunma University, 生体調節研究所, 准教授 (70334125)
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Keywords | 蛋白質チロシンリン酸化 / チロシン脱リン酸化酵素 / 細胞間相互作用 / 高次脳機能 |
Research Abstract |
本研究では、脳における細胞質型チロシンホスファターゼSHP-2の機能解析に取り組んでいる。これまでの解析で、SHP-2は、神経系に強く発現する受容体型膜蛋白質SHPS-1の細胞内領域がSrcファミリーチロシンキナーゼによりチロシンリン酸化を受けると、この部分に結合して活性化し下流へとシグナルを伝えることを明らかとしている。また、SHPS-1はその細胞外領域のリガンドである膜蛋白質CD47と相互作用し、神経機能を制御する新規細胞間相互作用シグナルシステムCD47-SHPS-1系を形成する。SHP-2は発生過程においで重要な機能を果たすため、遺伝子破壊(KO)マウスは胎生致死となる。そこで、SHP-2-loxPマウスと、成熟前脳特異的にCreリコンビナーゼを発現するCaMKII-Creマウスを交配し、成熟前脳特異的なSHP-2コンディショナルKO(cKO)マウスを作製し、このマウスについて生化学的、組織化学的を進めた。さらに高次脳機能におけるSHP-2の機能を検討するために、行動解析の準備を進めた。レポーター遺伝子を用いた組織化学的解析から、SHP-2は大脳皮質、海馬、線条体で強くKOされていると考えられた。また、SHP-2 cKOマウスと野生型マウス脳において、MAPK,Akt,DARPP-32などの細胞内シグナル分子の活性化状態を比較したが、現在のところ明らかな異常は見出せていない。この点については、さらに詳細な解析を進める予定である。一方、SHP-2 cKOの行動テストバッテリーを行うための環境整備が完了し、現在データを収集中である。
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