2008 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマの移動・浸潤時に起こる細胞内イオン変化の可視化とその応用性の検討
Project/Area Number |
20500335
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
熊田 竜郎 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 助教 (00402339)
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Keywords | 細胞移動 / グリオーマ / イメージング / 細胞生理 |
Research Abstract |
1. 細胞移動の速度・形態変化における時空間的な[Ca^<2+>]_i・[Cl^-]_iの変動の役割 申請者らは、複数のヒト由来のグリオーマ細胞において長時間タイムラプス観察・Ca^<2+>イメージングの同時観察を行ったところ、MonopolarあるいはBipolarな形態を示すグリオーマ細胞が静止状態から移動速度を著しく促進する過程において高頻度に[Ca^<2+>]_iの変動が見られることが分かった。グリオーマ細胞の転移の開始時に特異的なカルシウムシグナリングが関与する可能性が示唆され、よりグリオーマ細胞の移動をより選択的(特異的)に抑える治療法(薬)を見出すストラテジーへの開発に期待がもてる。 2. グリオーマ細胞移動の薬理学的解析; 細胞内[Ca^<2+>]_i・[Cl^-]_iの変動を起こしうる薬剤を用いてグリオーマ細胞の移動に与える影響を調査した。Cl^-トランスポーターの阻害剤であるBumetanideを添加すると、有意にグリオーマ細胞の移動速度を促進させることを見出した。Cl^-の内部変化を乱すこともグリオーマ細胞の移動状態を変化させる要因となりうることが示唆された。 3. FRETイメージング法によるグリオーマ細胞における細胞の移動・動態観察 グリオーマ細胞に[Cl^-]_iの変動のセンサーであるClomeleonを発現させた後に、長時間FRETタイムラプス観察を行った。グリオーマ細胞で認められるClomeleonのFRET効率は細胞外Cl^-を変化させることで変化するが、ランダム方向に移動するグリオーマ細胞の細胞内に顕著なFRET効率の変化は見いだせなかった。
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Research Products
(9 results)