2009 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマの移動・浸潤時に起こる細胞内イオン変化の可視化とその応用性の検討
Project/Area Number |
20500335
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
熊田 竜郎 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 助教 (00402339)
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Keywords | 細胞移動 / グリオーマ / イメージング / 細胞生理 |
Research Abstract |
1.細胞移動の速度・形態変化における時空間的な[Ca^<2+>]_i・[Cl^-]_iの変動の役割 研究実施者らは、昨年に引き続きヒト由来のグリオーマ細胞において長時間タイムラプス観察・Ca^<2+>イメージングの同時観察を行った。グリオーマ細胞は、未熟な神経細胞の移動と異なり、より多様な細胞内Ca^<2+>イオンの変動が見られ、単純に移動速度と自発的な細胞内Ca^<2+>イオンの振動数の変動に直接的な関係性は見出せなかった。しかし、細胞移動時にはより高頻度に細胞内Ca^<2+>イオンの変動が見られることから、細胞移動に関与する細胞内Ca^<2+>イオンの変動のより詳細なパターン解析を要することが分かった。 2.グリオーマ細胞移動の薬理学的解析; 細胞内[Ca^<2+>]_i・[Cl^-]_iの変動を起こしうる薬剤を用いてグリオーマ細胞の移動に与える影響を調査した。Cl^-トランスポーターやCl^-チャネルの薬剤の投与は有意にグリオーマ細胞の移動速度を変化させることが分かった。 3.FRETイメージング法によるグリオーマ細胞における細胞の移動・動態観察 昨年度に引き続き、ヒト由来のグリオーマ細胞の移動動態と細胞内Cl^-の内部変化の関係性を調査するために、FRET型[Cl^-]_iの変動のセンサーであるClomeleonをグリオーマ細胞に発現させて、経時変化解析を行ってきた。発現効率の向上など技術的な進展はあったものの、移動するグリオーマ細胞に特徴的な細胞内Cl^-の変化を依然として見いだせていない。そこで、グリオーマ細胞の細胞内Cl^-の局在を乱すツール(NKCC1の強制発現系・阻害系)などを作成した。
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Research Products
(15 results)