2010 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマの移動・浸潤時に起こる細胞内イオン変化の可視化とその応用性の検討
Project/Area Number |
20500335
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
熊田 竜郎 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00402339)
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Keywords | 細胞移動 / グリオーマ / イメージング |
Research Abstract |
グリオーマ培養細胞にFRET型インディケーターであるClomeleon遺伝子を導入後、スペクトラムコンフォーカル顕微鏡を用いて移動グリオーマ細胞を観察することで、細胞内において細胞内塩素イオンレベルに局在があることが見いだされてきた。このような塩素イオンの局在化は部分的な細胞容積の変動を伴わせ、細胞移動時の細胞形態変化に関与する可能性が出てきた。このような塩素イオンの局在化を形成するメカニズムとして、容積依存性塩素イオンチャネルなど塩素イオンを汲み出す仕組みについては比較的よく調べられているが、集積させる仕組みについては、よく分かっていなかった。そこで、本年度は新たに塩素イオンを組み入れる輸送体であるNKCC1の分布と機能について、NKCC1を特異的に認識する新規の抗体とsiRNAを用いて研究を行った。新規のNKCC1抗体は、脳組織を用いたウェスタンブロッティングで約140kDaの単一のバンドを示し、市販の抗体に比べて特異性が非常に高いことが分かった。この抗体を用いて細胞の免疫染色を行うとpunctateな染色パターンが認められた。ヒトグリオーマ細胞におけるsiRNAの効果を調べるために、siRNAを細胞株に導入2日後にウェスタンブロッティングを行った結果、siRNA導入株ではNKCC1の発現レベルが低下していることが分かった。siRNA導入株における細胞増殖・細胞死に対する影響をMTT法により調べたが、有意差は得られなかった。このsiRNAを導入したグリオーマ細胞株における移動動態の変化とNKCC1の局在性の相関性について現在解析中である。
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Research Products
(8 results)