2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500340
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三澤 日出巳 Keio University, 薬学部, 教授 (80219617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 隆志 慶應義塾大学, 薬学部, 講師 (00322040)
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Keywords | 神経創薬 / 認知症 / トランスポーター / ニコチン受容体 / アセチルコリン |
Research Abstract |
ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は「感覚ゲート」の調節などを介して、認知機能の基盤となる注意・集中力を発揮するのに重要である。現在未知のnAChRの修飾メカニズムの解明は、新たな薬理活性をもつnAChR修飾薬の開発に繋がる可能性を秘めている。SLURP(secreted Ly6/urokinase plasminogen activator receptor-related protein)は、10カ所のシステイン残基間のジスルフィド結合により保持される構造により、αブンガロトキシンに代表されるヘビ毒やカエル毒と立体構造上の高い相同性をもつ蛋白質であり、現在までにSLURP-1とSLURP-2の2種類が報告されている。本年度は、SURP-2の生理機能を解析する目的で、活性を保持した組み換えタンパク質の作製を試みた。マウスSLURP-2をシグナルペプチド(N末)とヒト免疫グロブリンFc領域(C末)の融合タンパク質として発現するベクターを構築し、ウサギ腎臓由来RK13細胞にて発現・精製することでSLURP-2-Fcを得た。Flow cytometry analysisにより、SLURP2-Fcが結合する細胞の探索を行ったところ、マクロファージ系細胞であるRAW264.7において、特異的な結合が観察された。マクロファージはLPSなどの刺激により、TNF-αなどの炎症性サイトカインの合成・放出が増加することが知られているが、RAW264.7をSLURP-2-Fc存在下で培養したところ、培養初期には効果が認められなかったが、培養16時間以降でTNF-αの放出を顕著に抑制した。また、SLURP-2-FcはRAW264.7からのHMGB1の放出を、同様な時間経過で抑制した。以上の結果より、SLURP-2はマクロファージからの炎症性サイトカインの放出を抑制することが判明した。
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Research Products
(4 results)