2010 Fiscal Year Annual Research Report
概日システムの同期/脱同期を制御する蛋白質修飾機構の解析
Project/Area Number |
20500344
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
田丸 輝也 東邦大学, 医学部, 講師 (80291706)
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Keywords | circadian rhythm / Phosphorylation / transcription factor / clock gene / signal transduction / casein kinase / bioluminescence / stress response |
Research Abstract |
概日システムは、分子時計が支配するゲノムワイドな生命過程の統合制御系である。その機能不全は睡眠障害、メタボリックシンドローム、癌、神経・精神疾患などの憎悪に関わっている。本研究の目的は、概日システムのプロテオーム的基盤となり、分子時計の同期の初期応答トリガーともなる蛋白質機能の時空間特異的な制御メカニズムを解明することである。具体的には、代表者が発見したキナーゼPFKの日周活性変動を介した時計制御転写因子BMAL1のリン酸化、さらにストレス刺激に応答するBMAL1等の転写因子の機能にとくに着目し解析を進めた。初年度、PFKがCK2であること、CK2によるリン酸化によって制御される体内時計制御転写因子BMAL1の機能変化が、哺乳類概日システムに必須であることを明らかにした(Nat Struct Mol Biol 2009)。昨年度は、CK2がBMAL1を日周性でリン酸化し、その核移行を時刻特異的に制御することに加え、その下流のBMAL1の修飾(Nature 2007, Science 2005)、CLOCKとの結合を関門的に制御し、概日システムの制御に必須の役割を果たしていることを明らかにしている。 本年度は、CK2活性の日周期変動機構に時計制御蛋白質との周期的相互作用が関与していることを示した。CK2をコアとした日周性リン酸化オシレータが概日システムの制御において統合的な役割を果たしていることを解明しつつある。 また、ストレス応答における概日システムの役割を解明する研究を行い。熱ショック応答に関与する分子時計メカニズムの一端を解明した(論文投稿中)。
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