2008 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスによって生じる脳機能障害の水素分子による改善
Project/Area Number |
20500345
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大澤 郁朗 Nippon Medical School, 老人病研究所, 教授 (30343586)
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Keywords | モデル動物 / 酸化ストレス / 認知・記憶障害 |
Research Abstract |
本研究は、うつ病などを含む気分障害のモデルとなるストレス負荷動物に対して酸化ストレスの効果的な抑制剤である水素分子を投与することで、ストレスによって生じる酸化ストレスを抑制、海馬におけるニューロン新生の低下を回復し、海馬に依存した認知・記憶障害やうつ症状を抑制する効果について検討するものである。 本年度は、マウスに1日10時間の拘束ストレスを負荷し水素を飽和量含有する水(水素水)を与える実験を行った。6週間に渡り拘束を継続したマウスでは、水迷路試験、受動回避試験、新奇物体探索試験のいずれでも認知・記憶障害が認められたが、水素水を投与した群ではその障害が抑制された。また、拘束により海馬歯状回における神経前駆細胞新生低下が認められたが、これも水素水の投与群では抑制されていた。さらに拘束ストレスによって蓄積する海馬領域の酸化ストレス(4-HNEやMDAを指標とした)は、水素水の投与により抑制されていた。以上の結果は、拘束に伴い脳に蓄積する酸化ストレスを水素分子の還元力で抑制し、その結果、神経細胞に対する傷害が軽減され、認知・記憶障害が抑制されたものと考えられる。これらの成果は、Neuropsycopharmacologyにて報告した。 現在は、慢性ストレスによるうつモデルでの水素水の効果検討に入っており、強制水泳テスト、尾懸垂テスト、sucrose preference testなどを予定している。
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Research Products
(20 results)